『金閣寺』
三島由紀夫 / 著
1956年に発表。「金閣寺放火事件」などを題材にした長編小説です。 重度の吃音(きつおん)と醜い容姿に強い劣等感を抱く学僧・溝口が主人公。彼は父親から「金閣ほど美しいものはこの世にない」と聞かされて育ち、金閣寺の絶対的な美に深く執着するようになります。しかし、その美しさは常に彼を圧倒し、現実の人生や女性から彼を遠ざける呪縛へと変わっていきます。 やがて「美」への嫉妬と、それを我が物にしたいという破滅的な衝動から、彼は金閣に火を放つことに至る。緻密で華麗な文体で人間の内面の闇と美の本質を描き切り、国内外で高く評価されている近代文学の金字塔です。